口腔内検査用开発

口腔内検査用カメラの開発 大畑敏美（情報科学グループ） １．はじめに 虫歯の状態確認や正しい歯磨きの方法を指導するための口腔内検査用カメラの試作開発 について、工業用内視鏡カメラの設計･製造・販売している企業との共同研究開発を行いま した。そのポイントを紹介します。 ２．口腔内カメラの設計方針 2.1 先端部分の小型化 カメラを人の口の中に入れ、違和感なく撮影をするために、カメラ先端部分の小型化を 図ります。 2.2 口腔内照明 口腔内撮影に必要な照明は LED で行い、その点灯はカメラの電子シャッター開放タイ ミングに同期し、カメラが照明を必要とする期間 LED を点灯することで、発熱量を抑え る照明を行います。 2.3 撮影画像の修正 口腔内の上の歯と、下の歯を撮影する場合では、カメラの先端部分が天地反転します。 また、歯の裏側を撮影する場合、鏡を用いますが、鏡を通してものを撮影すると画像は左 右反転します。そこで、動画像の上下・左右反転ビューアを作成し、人に判りやすい動画 像の表示をします。 ３．試作結果 3.1 先端部分の小型化 図 1に開発したカメラの構造を示します。 一般のテレビカメラ(a)の CCDとレンズ をカメラ本体から分離し、カメラ先端部 分(b)の小型化を図りました。 カメラ先端部分は、アクリルパイプ形 のケースとし、ケース内に、1/4インチ CCDと小型化した 3mmφのレンズを入 図 1 分離前後のカメラ構造 れています。開発したカメラの外観を図 2に示します。 カメラ先端部分の直径が 10mmφと小型化が可能になりました。 3.2 口腔内照明 電源 レンズ CCD CCD 駆動回路 高輝度LED LED駆動 ﾀｲﾐﾝｸﾞ 生成回路 14w 2w 光 （b）カメラ先端部分 （c）カメラ本体 アクリルケース 電源 信号 ビデオ 小型レンズ CCD （a）一般のカメラ 電子シャッター 駆動パルス CCD 駆動回路 ビデオ 信号 レンズ・CCD を分離 照明は図 1 のカメラ先端部分(b) の 背後に取り付けた 1個の高輝度 LE Dの光をアクリルケース内に誘導 し、ケースを通過した光で口腔内を 照明しています。 また、LEDの点灯は、CCD駆動 回路の電子シャッターパルスを取出 し LED駆動タイミングを生成し、点 図 2 カメラ外観 灯させました。 カメラの電子シャッターの開放タイミングに合わせ LED を点灯させることで、発熱が 少なく、チラツキのない効果的な撮影を可能にしています。 3.3 撮影動画像の修正と表示 パソコンに、口腔内検査用カメラで撮影し た画像のビデオ信号を取り込み、Windows画 面上に表示するビューアアプリケーションを 作成しました。そのアプリケーションによる 表示画面例を図３に示します。 カメラの撮影方向に合わせて、画面上の上 下反転アイコン、左右反転アイコンを操作す ることにより、動画像が上下、左右それぞれ 反転をします。 この画像修正により、人に判りやすい表示 を可能にしています。 図３ 口腔内専用動画像ビューアの表示例 ４．まとめ CCD デバイスと同駆動回路の分離を行うことで、カメラ先端部分の小型化を図りまし た。違和感なく口腔内にカメラ先端部分を入れることができます。 また、口腔内をカメラの電子シャッターの開放タイミングに合わせ LED で照明するこ とで、発熱が少なく、照明によるチラツキのない、効果的な撮影を可能にしています。 動画像の上下及び左右の反転ビューアを作成することで、例えば虫歯の状態確認など、 人に判りやすい表示を可能にしています。 共同研究者：北原 枢・土屋敏夫（産業支援部産学公連携援室） 松下みきお・上野 章（株式会社フジタ・ジャパン） 上下反転アイコン 上下反転アイコン