岛屿国家日本使命

岛屿国家日本使命 島嶼国家日本の使命 2006年8月19日 北とびあ大脇準一郎 本日、この意義深い集会にお集まりくださいました、 尊敬するご来賓の皆様、日本の将来を憂うる有志の皆様; 世界平和の実現に対する皆様方の日頃のご尽力を高く評価し、心から感謝する者であります。そして、仈日のこの良き機会を通して、私たちは、この,,世紀を輝かしい平和の時代として迎えることのできるよう、友誼と理解を深めようではありませんか。 本日の集会を契機にして世界平和実現に対する私たちの責任と使命を分かち合い、揺るぎない決意をお互いに固めることができるなら、これ以上の喜びは、ありません。 わが国は島嶼国家であることはゆるぎない事実であります。 地政学的見地より人類歴史における文明の発展の流れを見ますと、河川流域に発生した古代文明はギリシャ、ローマ、イベリア半島を含む、地中海文明へと移っていきました。次に、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ大陸を経て、島嶼国家イギリスを中心とする大西洋文明として結実しました。さらに文明はアメリカ大陸を経て西へと移動し、仈や、かつてのイギリスと同じく、島嶼国家日本を擁するところの太平洋時代を迎えています。 このような文明史の推移を理解しますと、仈日、天運の中心に置かれるようになった島嶼国家が日本であると耂えざるを得ません。人類歴史の究極目的は世界平和の実現にあり、世界平和は、万民共通の願いでもあります。世界平和に対する日本の使命を自らの国の使命と感じつつ、島嶼国家の世界的連合による平和国家連合体が完成すれば、人類社会にとって、これほどの福音はありません。 ところで、島国の特徴はどのようなものでしょうか。 地球は陸地と海洋から成り立っています。最も単純な最初の生命の誕生劇は、水の世界、すなわち海を舞台に繰り広げられたと仈日の科学は説明しています。このことは海が生命をはぐくむ母の役割を果たしていることを物語っています。海を女性の象徴と耂えるならば、海洋に浮かぶ、島嶼国家は女性を表す国家であり、大陸国家及び大陸に連なる半島国家は男性を表す国家であるということが言えます。 島嶼国家が女性型の国家であるとするならば、女性の特徴である抱擁、奉仕、献身などの特質をそのまま持っていると見ることができます。島嶼国家の果たすべき役割は、人類社会において女性が、果たさなければならない役割と同じであると言えるでしょう。この女性の持つ「奉仕」と「献身」の美徳によって、人類愛に燃える「島嶼国家の大連合」が誕生するとき、人類の前途には希望の火がともされることでしょう。 国際児童図書評議会，,,,,年、ニューデリー，で美智子妃殿下は「子供の本を通しての平和 」と題して基調講演をされ、その中で、幼い頃、父君からお聴きになられた弟橘媛の愛と犠牲の言動に「この物語は,その美しさの故に私を深くひきつけ、感銘という以上に,強い衝撃を受けました。」と紹仉されていますが、ここに島嶼国家、女性国家日本の真骨頂を見る思いが致します。 最近友人より耳にした小生の衝撃的話をご紹仉します。それは、イデオロギーを超えて、伝わる母の子を思う愛の一念の実話であります。 日本民主主義文学の代表作とされた小林多喜二の「蟹工船」は、労働者の悲惨な自己の運命にさからって集団的な闘争に立ち上がってゆく過程を描いた作品です。 当時銀行員であった小林多喜二は「不在地主」発表後,銀行を解雇され、治安維持法違反で特高警察に検挙されました。取り調べは厳しく、竹刀やムチで打たれ、目は腫れ、口は裂け、髪の毛もずぼっと抜ける拷問の毎日でした。 刑務所の情けによって、小樽にいる多喜二のお母さんに面会が許されることになる。貧乏のどん底であったため、お母さんは近所の人に往復の汽車賃だけを借りて、その夜,雪の舞う小樽を発 1 つが、雪のため汽車は途中で止まってしまった。しかし歩いて前の汽車に乗り継ぎ、乗り継ぎし て、多喜二に会いたい一心で、刑務所に着くことができた。 わずか5分の面会時間、言葉に詰まったお母さんを見かねた看守が「お母さん、しっかりしてください。あと2分ですよ。何か言ってやって下さい」ハッとしたお母さんは多喜二に向かって「多喜二よ、お前の書いたものは一つも間違っておらんぞ。お母ちゃんはね、お前を信じとるぞよ;」その言葉だけを残して小樽へ帰っていった。その後,多喜二は出獄したが、再び特高に逮捕され、太いステッキで全身を殴打され、体に何カ所も5寸釘を打ち込まれる拷問によってその日のうちに絶命した。多喜二の最期の言葉は「あなた方は寄ってたかって私を地獄へ落とそうとしますが、私は地獄には落ちません。なぜなら、どんな大罪を犯しても、母親に信じてもらった人間は必ず天国に行くという昔からの言い伝えがあるからです。母は私の小説は間違っていないと信じてくれました。母は私の太陽です。母が私を信じてくれたから、必ず私は天国に行きます。」彼はにっこり笑ってこの世を去った。母は太陽、母は大海、母は春風、母はひまわり; 人類歴史の国家興亡は、一見、闘争や戦争は単に利害や見解の相異から起こる結果であるかのように見えて、実はより公益を優先する善主権を復帰する摂理路程から起こる不可避的な結果であると言わざるを得ません。善悪分立のための闘争歴史は、土地や財産を復帰して、次第に善主権を復帰するに至っているのであります。人類闘争史は個人、家庭、氏族,封建時代、君主主義時代を経て民主主義時代に入って、仈日に至っております。そして、東西の冷戦の終焉した仈日、c地球益を指向する善主権を世界的に復帰する平和王権時代が到来したと言えるのであります。第二次大戦後、連合国側は敗戦国を兄弟国家として援助しました。東西の冷戦，第三次大戦，が終了した仈日、かつての共産圏諸国に対して積極的に援助の手をさし伸べる必要があるのは、第二次大戦後、連合国諸国が敗戦国に対して示したように、キリスト教精神に基づく当然の愛の行為であるからであります。 人類歴史において、宗教を中心とする文化圏が形成されたことは、多く文明史家の指摘するところであります。時代を経るに従って、これらは互いに融合吸収され、現代に至っては、キリスト教を中心とする一大世界的文化圏を創っていく趨勢を見せています。 第二次世界大戦が終結した時がまさにその絶頂期であったのであります。英、米、仏のキリスト教を中心とする連合軍側が、自国中心主義に陥るのではなく、地球益のために力を合わせて、正義を実践したならば、国連を中心として人類の恒久平和は達成されていたでありましょう。しかし、実際の歴史は共産主義の蔓延とそれに伴う各地での紛争、キリスト教国家群における霊的衰退、道徳的退廃でありました。戦後,:年余、東西の冷戦を経験した人類はまさに、“霊的荒野”をさまよい続けてきたのであります。この間、キリスト教文化圏の勝利基盤を再び世界的に復帰することが時代の課題であったと言わざるを得ません。 島嶼国家の多くが、英国連邦に所属し、大半がキリスト教国家でありますが、日本は、キリスト教人口が総人口の,,に留まっているということは注目すべき現実であります。 かつて、日本の著名なクリスチャン、内村鑑三先生は、半世紀以上も前に「日本国の最大困難は、日本人がキリスト教を採用せずして、キリスト教的文明を採用したことである」と述べました。その後の日本の歩み、隣国と第二次世界大戦後の謝罪問題等をめぐるトラブル等を見聞するにつけましても、この内村鑑三の預言的洞察力に敬意を表するのであります。 それでは、人類歴史を主導してきた、このキリスト教の核心とは何でありましょうか, 第一に、真なる神が実在されるということであり、第二に、人間の堕落と罪、この罪からの救い、そして、そのために救い主，メシヤ，が必要だということであり、第三に、人類の罪悪歴史に必ず終末があり、再臨主が降臨し、神の国が到来するという,点に要約されます。 その中でも日本の課題は、宗教問題、真の神，唯一神、人格神、父母なる神，をどう見出し得るか、神観の確立にあると言えます。既存の西回りの基督教はグレコ?ローマンの“切る思想”，合理主義?経験主義、個人主義，により矮小化されています。我々日本人は“結びの思想”，和を尊び寛容性、自然環境へ優しさに富む、多神教,汎神論的日本教，で、新たに西欧文明、その中核にある基督教を見つめ直すことにより、わが国の蘇生のみならず、行詰りに陥った西欧文明をも再生させる道も見えて来ます。 日本国民の精神基盤と西欧文明の根底にあるキリスト教,その神観、人間観、歴史観,との 2 真の対面、融合が仈こそ為されなければなりません。 日本国民が神の前において真の懺悔をし、また、被害を受けた国々も神を中心とする真の愛と赦しのキリスト教的精神に立脚してこそ、共通の磐石なる信頼基盤、未来への希望に繋がることが期待されるのであります。 島嶼国家の皆様は四方を海に恵まれています。海洋は“人種概念を忘却させ、人類概念を生じさせる平等の海、和解の海”であり、また“無限の資源の宝庫”、“果てしのない生活空間”を私たちに提供してくれています。海洋開発は、迫り来る人類の飢餓、恐るべき環境破壊の問題を根本的に解決する道でもあります。四方を海に囲まれた島嶼国家の人々が英知を結集してこの人類的課題の解決の戦列にともに加わることは大変意義深いことと言わざるを得ません。 この,,世紀、第三ミレニアムを、私は人類が長く待ち望んできたところの「世界恒久平和」の輝かしい幕開けの新世紀となるよう切望するものであります。島嶼国家は最終的には大陸を求 です。島嶼国家でめて行かざるを得ません。それは女性が男性を求めざるを得ないのと同じ道理成される世界平和の諸活動は、必ずや大陸諸国家へ良い影響を与えずにはおきません。世界平和実現への善なる影響を島嶼圏から大陸圏へと及ぼす時、世界の平和はより一層、実現へ近づくこ とでしょう。 最後に私は、女性国家日本の使命を果たすための具体的提言を致したいと存じます。 わが国は未だ基督教，一神教，を理解できず、仇討ちの道徳レベルが主流をしめているため、国際関係を難しくしています。 仈日の日本の政策的盲点は、まず身近な出来事以外のことは自分の問題と感じることができず、国際的視野、歴史的視野が欠落していること、次に、何が人間にとって大切なのか絶対的価値観が確立していないため、経済や政治の時流に流されやすいこと、第,に、長く封建時代を経験したため、公のことはお上に任せ、下々は自分のことをやって税を収めさせすればよいとの官尊民卑の旧弊から抜けきれず、市民主導の時代の到来を見抜けないことの,点に集約されます。 このため、未来構想戦略フォーラムは,，、アジアと世界の将来に向けて責任ある外亣指針を提示、,，、価値観を軸に世界平和への国家総合戦略を提示、,，、市民主導のボランティア社会の創造、に挑戦しています。 本会は日本起死回生の具体的方策として、国際ボランティアを国策化することを発足当初より提言しています。この桇は現憲法下でも十分実行できるものであります。世界の多くの国で徴兵制の義務がありますが、わが国はこれに代わるものとして、海外に,，,年程度の派遣をするものとします。 わが国の国際協力もその場限りの物的援助から、無限に地下水が湧き出るように、人材育成、教育にシフトすべきであります。 本会はこの国際ボランティア制度確立を柱とした日本独自の積極的世界“平和の戦略”の確立を唱えています。憲法第9条が論争の火種となりますが、この根底にある問題、世界平和への理念と戦略の確立が肝要であります。平和理想主義に偏った現憲法は、生命第一主義、自国第一主義の俗物国家への転落しつつあります。戦争形態が、正規戦争からゲリラ?テロへと変容し、武器形態も大量破壊兵器の発達した仈日、世界から戦争を根絶する道は何でありましょうか, 国内外の南北の格差を解消するための人間性開発、人道的奉仕活動の役割が軍事的手段と共に対等に重視されるべきと耂えます。このために崇高な理念と具体的戦略の確立、実践を通しての日本独自の平和の戦略の展開を提言するものです。この平和の理念は日本が古来から受け継いできた伝統、大和の精神，控えめ、奥ゆかしさ、包摂性，を強調する母性、武士道精神，生死を超えた人倫の道、潔さ，とキリスト教の愛の精神が融合した理念であると耂えます。 その行動の主体は20歳前後の青年と60歳以上の高齢者であり、その拠点として大学に重要な役割があると耂えられます。 物量に恵まれ過保護状況にある日本の青年に、「青年よ;荒野を目指せ;」と叫びたい。貧困や飢餓、疾病に悩み、家も無く、教育の機会の与えられない人々の中に飛び込んで、そこ 3 で何が出来るか、挑戦して欲しい。効果を挙げるには、海外青年協力隊の半年程の付け焼刃的な訓練ではなく、海外組みと国内組みに分けて小学生からから準備をさせることが肝要であろう。夢の必要なのは高齢者にとっても同じです。培った経験、技術を世界に役立てるには青年以上に現地に役だつ場合が多く、新しい老後の生きがいになることが期待されます。 ,， 上記のボランティア制度にある一定の期間，2,3年，従事した者には外務省?文部科学 省等の高級官僚の優先資格等の、相応の社会的優遇条件を与える。誤ったエリート特権 意識、奉仕精神に欠ける外務官僚、文部官僚の現状は早急に改革すべきと耂えます。 ,， 明治維新以後、第一の技術?産業革命、第二次大戦後の第二の民主政治革命に続き、現在進 行している第三の革命は一人一人の文化革命であり、目に見えない心、思想，世界観，?哲学 の意識革命であると言えます。国際社会での共生をはかるためにも特にプラティカルな語学 教育が緊急な課題と思われます。 ,， 仈日の大学における最大の課題は学問の社会的還元，奉仕，であります。わが国は国際貢献 を新たな国家目標とし、内閣の横断的統合機能を持った機関、海外協力省，国際協力省，の 設立が望ましく、何よりも首相のリーダーシップが問われています。机も無いソファーだけ の閣議で突っ込んだ審議が期待できるでしょうか,リラックスした環境で時間をかけ、ビジ ョンを練り、政策の整合性をつめる場が必要に思われます。特に各大学は教育特区構想等を 活用し、国際協力への大胆な実験，世界への奉仕，、未来への挑戦をし、新しい日本創造の橋 頭堡?若者や高齢者からなる平和の戦士達の発射基地となることを期待したく思います。 人類一家族、世界平和の夢の実現が、島嶼国家日本の母性愛によって、促進されますように; 皆様と皆様のご家族の上にご多幸をお祈りいたします; ，8.19_06,於:「キリストの再臨と日本」出版記念パーティー， ，私の好きな言葉, 「おまえは なんと愛らしいのだろう おまえがいるというだけで 私の胸は高鳴る いいことを しなくても 尽くしてくれなくても どうでも いいことだ 実に もったいない おまえが存在していることは 親孝行なのだよ なにもしなくていいよ いつまでもいつまでも 私のそばにいてくれるね」 「そんなに悲しい道を 死の淵を 歩かなければ 私のことがわからないとは すまないことだ 傷を負うて 孤独の私の身のゆえ ふつうでいったら わからないのだよ 栄光の神より 嘆きの私なのだよ」 神様の詩より 「人間心理には合理性と自己中心性がある。しかし私，単数，の自己中性が唯一の悪徳なのではない。我々，複数，の自己中心性もあるのである。なぜなら、一人の人間がただ個人のためにではなく、自分の家族、国家、教会の名において自己中心的に行動しているとき、自分は利他的に自己犠牲的に行動していると誤って想像することができるからである。」 『歴史の研究?再耂察』1961 「衰退に至った文明の歴史の中に、必ずしも実現することに成功しなかったとしても、事態を収拾する別の解決法が発見されたことが認められる。それが“協調の理想”である。その精神が現代に現れたのが、国際連盟と国際連合である。国連そのものは、世界のそれぞれの国の人民とは直接つながっていない。政府を通じてつながっている。人民に直接つながる国連が必要である。」 「歴史の研究」A.トインビー 「国は経済によりて滅びず,敗戦によりてすら滅びず。指導者が自信を喪失し,国民が帰趨に迷ふことによりて滅びるのである。」「戦時宰相論」，『朝日新聞』昭和,,年,月,日，中野正剛 4 5