回响在心中的铃声回响在心中的铃声

胸に響く鈴の音 明るい日差しを受けて、そろそろ新芽が顔を覗かせる四月、修学旅行で金閣寺へ行つたときのことです。 庭園をさんぼしていると、ふと私の目に一組の老夫婦が映りました。通る人に何かを頼んでいる様子でしたが、誰も振り向いてくれません。私は思わず二人のところへ駆け寄りました。 『どうしたんですか』、そう私が尋ねると、伯父さんはカメラを差し出し、身振りで説明を始めました。 この時初めて、『夫婦で写真をとってほしいんだ』ということが分かりました。そして、『この夫婦はしゃべることができない』ということに気ずいたのです。 それを知って私は、この老夫婦に記念に残る写真をとりってあげたいと心から思い、二人を金閣寺のよく映る場所に移動させ、しっかりカメラに収めました。最後に、『長生きしでくたさいね』と言うと、二人はニッコリ笑ってうなずいてくれました。 そうしたら、お婆さんが私の手に、小さなかわいい鈴をひとつ握らせてくれました。たいしたことをしたわけでもないのに、こんなに感謝されて、本当に嬉しかったです。 だからこの鈴は私の宝物です。そしてこの鈴を鳴らしてみるたびに、恥ずかしそうに微笑んでポズを作ってくれた、お爺さんとお婆さんを思い出します。